充実するBIMの環境ソリューション CASBEEとも連動し評価が簡単に

CASBEEとBIMの連携で評価労力が半減

オートデスクは、建物のエネルギー解析ツールをさらに日本の環境評価システムに対応させるための開発も行っています。その一例が今年の夏に完成予定の「Revit + CASBEE Connecter」というソフトです。

オートデスクのBIM設計システム「Autodesk Revit Architecture 2011」上で動くアドインソフトで、「CASBEE-新築(簡易版)」の92ある評価項目うち、PAL値や昼光率のほか、自然換気性能や外皮性能など12項目の評価を自動化してくれるものです。

これらの12項目には、建築物の外皮表面における熱負荷を定量的に評価する「PAL値」や、採光による室内の明るさを表す「昼光率」といった、手作業だと計算にかなりの手間がかかるものが含まれているため、CASBEEの評価作業に要する労力は半減する見込みです。

CASBEEによる建物環境性能評価の仕組み
CASBEEによる建物環境性能評価の仕組み

Revit用のアドオンソフト、「Revit + CASBEE Connecter」のメニュー
Revit用のアドオンソフト、「Revit + CASBEE Connecter」のメニュー(開発段階のため製品化の際は変更の可能性があります)

「Revit + CASBEE Connecter」で自動計算される12項目
「Revit + CASBEE Connecter」で自動計算される12項目

JSBCとオートデスクの技術提携について説明するJSBCの村上周三理事長
JSBCとオートデスクの技術提携について説明するJSBCの村上周三理事長

CASBEEでは建物の環境品質を表す「Q値」を、建物が外部に与える環境負荷を表す「L値」で割って算出する「BEE値」によって環境性能を数値化していますが、この評価を手作業で行うのは、大変な労力が必要でした。

2008年9月、日本サステナブル建築協会(JSBC)のCASBEE研究開発委員会に「CASBEE-BIM対応ワーキンググループ(WG)」が設けられました。オートデスクはこのメンバーとして参加し、国や学識者、実務者、開発委員とともに、CASBEEとBIMを連動させる検討を行ってきました。今後、検討結果はJSBCにより公開され、他社のBIMソフトでも使えるようになります。