BIMをもっと知りたい
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BIMに関する様々な情報を集めました。
充実するBIMの環境ソリューション CASBEEとも連動し評価が簡単に
省エネルギー法の改正では300m²以上の建物の新築や増改築時に省エネ措置の届け出が求められ、建物の環境評価指標「CASBEE」の評価を重視する施主が増えるなど、建築設計者にとって建物の環境評価は不可欠な業務になりつつあります。オートデスクではBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用し、建物の環境性能評価の作業を大幅に軽減する取り組みを行っています。
オートデスク株式会社
AECソリューション
ソリューション コンサルタント マネージャ
大浦 誠
意匠設計者が使えるエネルギー解析ツール
建物からのCO2の排出量は、自動車や飛行機などの交通機関よりも多いと言われています。2010年4月に施行された改正省エネ法では、300m²以上の建物の新築や増改築の際、省エネ措置の届け出が必要となりました。一部の自治体では、環境性能の高い建物に対して優遇措置をとり始めていますし、建物のオーナーや賃貸ユーザーも、環境性能の高い建物を選び始めています。
これからは環境性能の高い建物をいかに効率よく設計し、顧客に分かりやすく説明できるかが設計者の差別化ポイントになろうとしています。そこで、オートデスクではBIMを使って、建物の環境性能を評価するための様々なソリューションを提供しています。
2010年4月に発売した「Autodesk Ecotect Analysis 2011」(以下、Ecotect。英語版)は、BIM設計システム「Autodesk Revit Architecture」(以下、Revit)で作成した建物のBIMモデルのgbXMLファイルを読み込み、環境性能を解析。視覚的な表現やシミュレーションを即座に行えるソフトです。
例えば、一定期間の窓や建物表面への日射量の計算や、日影や太陽光の反射、暖房や冷房などの空調負荷、昼光率や周辺構造物の分析に基づいた自然光と人工照明レベルの計算などです。このほか、周辺の建物への日照を遮る部分を視覚化したり、窓への日射量から最適な日よけを自動設計したりする機能などを搭載しています。
Autodesk Ecotect Analysisがもつ様々な環境評価機能
Ecotectのサブスクリプションユーザ様には、建物全体のエネルギー分析を行う「Autodesk Green Building Studio」(以下、GBS)というクラウド・コンピューティング・サービスも提供しています。Revitで設計したBIMモデルのgbXMLファイルをアップロードすることにより、建物のエネルギー消費や水の使用量、CO2などの温室効果ガスの排出量などを手軽に分析できます。
建物の建設予定地の気象データや、電力の発電方法内訳など、様々なデータベースを持っているため、日射や気温などは入力の必要がなく、エネルギーコストやCO2排出量も合理的な根拠に基づいて計算されます。さらに、「カーボンニュートラル」を達成するために、どのような対策をとればいいかもアドバイスしてくれます。
Autodesk Green Building Studioのエネルギー解析結果レポート。エネルギー消費量の年間コストやライフサイクルコストも算出される
エネルギー解析はこれまで、建物の意匠設計が固まった後で専門家が行うものでした。ところが、EcotectやGBSは意匠設計者自身が使うソリューションとして開発されているため、使い方も簡単です。意匠設計者自らが、建物の企画・設計段階でこれらの検討を行い、数値によって比較検討を行うことにより、初期段階から設計に環境性能を盛り込むことができるのです。
各設計案におけるエネルギー消費量などの環境性能も比較できる