サステイナブル デザインとは?

私たちのあとを継ぐ世代の暮らしが危険にさらされないために。

サステイナブル デザインとは?

一般にサステイナビリティとは、私たちの後を継ぐ未来の世代の暮らしのニーズを満たし、危険にさらさないよう人類や地球環境が持つ能力を維持し、向上させることです。

建築におけるサステイナブル デザインは、実際に建設を着工する前の設計の段階で、環境性、経済性、安全性、社会性などのあらゆるファクターにおいて解析を行い、地球環境にやさしい最適な設計を行うことを意味しています。建築におけるサステイナブル デザインの目標は「環境的な責任を負った、収益性が高く、住居および職場として健康的な場所」であるグリーンビルディングを建てることです。

建築物が環境に与える影響は意外なほど巨大です。米国では、商業ビルと住宅は、米国で消費される総エネルギー量の40%近く、電力の70%、原料の40%、真水供給量の12%を消費していると報告されています。また、温室効果ガス排出量の30%を占め、1 億3,600 万トンの建設廃材を排出しています(1 人 あたり約2.8ポンド/日)。このように環境に多大な影響を与える建築物を、環境に配慮した設計・建設手法を取り入れることで、よりよい地球環境を保つことを可能にします。

米国における建築分野の環境への影響

世界に広がる環境性能評価基準

将来のあらゆる建設活動でサステイナブル デザインが要件になってきています。

例えば、サステイナブル デザインを評価する手段として、世界各国で環境性能評価基準が策定されています。日本では、日本グリーンビルディング協会や日本サステナブル・ビルディング・コンソーシアム(JSBC)などの組織が、CASBEE(キャスビー:建築物総合環境性能評価システム)という、建築物を環境性能で評価し、格付けをするというシステムを2002年に誕生させました。また、建築家の間には、サステイナブル デザインの手法に関する知識や意識を高めようという試みが進んできました。CASBEEには、屋内環境やサービスの質、屋外環境、エネルギー、資源、材料、周辺環境の評価が含まれています。

世界中で展開される環境性能評価基準
世界中で展開される環境性能評価基準。

環境への影響は設計の時点で決まる

製品あるいは建築物が与える環境への影響の大部分は設計の段階で決まります。デザイナーや設計士が設計段階で下す決定は、数年間、数十年間、あるいは数世紀後の未来にかけて、地球に影響を及ぼすのです。現在直面しているサステイナビリティの課題の多くは、過去に下された設計上の決定の結果から生じたものです。

しかし、これらの製品や建築物が空気や水を汚染し、地球規模の気候システムを変化させ、エネルギーや天然資源を過剰に消費している現状は、意図的に設計されたわけではありません。今実現されている最先端のデザイン・テクノロジーが当時に存在していれば、今の地球環境はよりよいものになっていたでしょう。

よりよい設計とは環境を持続させる設計だということを、私たちは改めて理解しなければなりません。

BIM とサステイナブル デザイン

BIMは、かつて実施するにはあまりに手間と費用がかかっていた複雑な建築設計時における解析を容易に実現します。

  1. エネルギー消費のシミュレーション
  2. 光環境のシミュレーション
  3. 風のシミュレーション

このような環境への影響の解析を、企画・設計の初期段階からBIMモデルを用いることで、入念に繰り返し行うことができるようになりました。さまざまな環境シミュレーションを行い、その結果をフィードバックし設計へ反映させることで、サステイナブル デザインを実行することができます。

環境シミュレーションの詳細はこちら

地球環境への配慮をBIMを導入することで実現することができます。結果、競争優位を獲得し、デザインの手法とプロセスを革新させることをBIMは可能にします。