写真や紙図面からBIMモデルを作成。改修、改築で環境性能を向上

紙の図面から3次元モデルを作る

紙の図面が残っていた場合には、スキャナーで画像ファイルにして、「Autodesk RasterDesign」(以下、RasterDesign)というソフトを使ってCAD図面化する方法があります。このソフトは、AutoCADのアドオンソフトとして動作するもので、青焼き図面をスキャナーで画像化し、CADでトレースする作業効率を大幅に高めてくれます。その方法をご紹介しましょう。

まず、画像化した図面を読み込み、図面をモノクロの2値化することにより、かすれなどを取り除きます。また、図面の傾きを専用コマンドで補正します。


RasterDesignに読み込んだ図面(左)は、モノクロの2値化によりかすれなどを取り除く(右)

ここからトレースがスタートです。AutoCADだけでトレースする場合、直線の両端を手作業で指示する必要がありますが、RasterDesignを使うと、画像上の線をクリックするだけで、両端の位置まで自動的に認識してくれるのです。画像編集ソフトでは、ある色の範囲を自動認識して別の色を流し込む機能を持つ機能がありますが、それと同様にスキャンした図面上の直線や円などを選んで、図形要素を流し込むような感覚でトレースしていけるのです。


画像上の線をクリックすると線分の範囲だけが自動的にCAD図として変換される。一番下の線に注意

作業を繰り返すことで、効率的にCAD図面が完成

CAD図面に変換した後は、Revitに読み込んでBIMモデル化していきます。その後は、通常のBIMのワークフローで設計、解析を行えます。

ワークフローオートデスク製品による改修改築のワークフロー