BIMをもっと知りたい
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はじめに
環境の持続可能性、いわゆる『サステイナビリティ』(持続可能性)は、企業の成功の中核をなすもので、その企業が信頼できる優良な企業として認識されるために必要な要因の1つになっています。またサステイナビリティというテーマは、企業としての社会貢献活動に留まらず、ファイナンスの業績と直接的に関連し、その度合いはますます高まっています。
本稿では、CADやCGをはじめとしたデザイン・テクノロジーを活用したサステイナビリティの実現をテーマにとりあげます。ビル、道路、自動車、公益事業ネットワーク、民生品コンシューマ製品など、世の中に存在する殆どのものが、最先端のテクノロジーを利用することで、環境を配慮した製品になります。
製品あるいは建築物が与える環境への影響の大部分は設計で決まります。デザイナーやエンジニアが設計段階で下す決定は、数年間、数十年間、あるいは数世紀後の未来にかけて、世界に影響を及ぼすのです。現在直面しているサステイナビリティの課題の多くが、過去に下された設計上の決定による予期せぬ結果によって生じたものです。ところが、これら空気や水を汚染し、地球規模の気候システムを変化させ、エネルギーや天然資源を過剰に消費する製品は、意図的に設計されたわけではありません。当時、今実現されている最先端のデザイン・テクノロジーが存在すれば、今の環境はもっと別のものになっていたでしょう。賢明な設計とは環境を持続させる設計だということを、いまや私たちは改めて理解しなければなりません。
デザイン・テクノロジーは存在するだけでなく、一般に広められ、なるべく多くの人に使用されなければなりません。本稿を通じて、なるべく多くの建築家、エンジニア、デザイナーたちが、賢明で、よりサステイナブル持続可能な設計上の決定を、もっと簡単に行えるようになればと考えています。さらに、彼らを支援する経営陣も、デザイン・テクノロジーがもつ重要性に関して認識いただければと考えています。
最先端のデザイン・テクノロジーとは、具体的に言うと例えば3次元(3次元)のデジタル・モデリングテクノロジー技術があげられます。このテクノロジーを活用することで、実際に製品や建築物といった実際のモノができあがる前にPCの画面で、設計内容を視覚化し、シミュレートし、分析することができます。
この3次元テクノロジーがサステイナビリティを実現する具体例として、建物の窓の位置が影響する室内の採光や温度を事前にシミュレートすることで、建物のエネルギー消費を最適化したり、建築仕様を満たす建材からより環境にやさしいものを容易に選択することができるようになります。また、デジタルでプロトタイプできるので、材料などの削減も実現できます。
今後数ヶ月に渡り、本稿で様々な角度からサステイナビリティとデザイン・テクノロジーを切り出して行きます。
協力:WIRED VISION BLOGS